ファームのススメ

ファームのススメ

若手と元スターから目が離せない! 宮崎瑠依が語るファームの楽しみ方

2021/05/27

幼少期から読売ジャイアンツのファンだった宮崎瑠依さん。一軍だけでなく、ファームもチェックするほどの熱狂ぶりです。

現在はプロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS」の司会として、イースタンリーグ、ウエスタンリーグで優秀な成績を残した選手の表彰も行なっています。キャスターとして、ファンとして野球を追い続ける彼女が語る、ファームの魅力とは? 夫である荒波翔さん(元横浜DeNAベイスターズ)とのエピソードも交えて語っていただきました。

巨人のファーム注目選手は、“新ジャイアント”

私は一軍だけでなく、ファームも見ています。ジャイアンツファンなので、ジャイアンツ球場に行くことが多いですが、友人のファイターズファンと一緒に鎌ヶ谷スタジアムも行きます。鎌ヶ谷のジャイアンツ戦は、出没率が高めです。綺麗な球場も多くて、まだまだ行きたいところがたくさんあります。

ファームは仕事ではなく、若手や怪我明けの選手を見るために行き始めました。一軍は日本一になるために戦っていますが、ファームの試合では“勝利と育成”の両方が大事です。そこが一軍との大きな違いではないでしょうか。勝てば良いわけでもないし、負けたからダメというわけでもない。ある意味ミスが許されるのがファームの良さでもあります。

選手の適性を見出すのも面白いです。例えば、ある内野の選手がいて、今の一軍のメンバーを考えたら外野しか隙間がないと。ファームで外野にトライして、バッティングを磨いたら、もしかすると来月は一軍で外野を守っているかもしれない。そういう未来の楽しさも、ファームには詰まっています。

今年のジャイアンツで注目しているのは、ドラフト5位で入団した秋広優人選手です。ジャイアンツではジャイアント馬場さん以来の2m超えの選手で、18歳なのでまだ伸びているとか。体がとても大きいものの、守備でも動きは軽快ですし、なによりバッティングが魅力的。外国籍選手がコロナで入国できない中、キャンプで存在感を見せ、高卒ルーキーでは王貞治さん以来の開幕スタメンも噂されていました。

ただ、直前でなかなか結果を残せなくて、開幕1軍とはなりませんでした。

今は、阿部慎之助2軍監督に育てられているはずです。阿部さんが監督なので、選手は幅広い技術が学べると思うのです。ジャイアンツはずっと育成が課題だと言われ続けていますが、自らの知識と経験に説得力がある阿部監督ならば、野手の打撃も捕手のリードも投手の投球も教えられるのではないかと期待しています。注目の秋広選手はホームランも打っていますよ。間違いなく今年の目玉ですね。

あとはドラフト6位の坂本勇人選手。あの坂本選手と同姓同名で、ドラフトの日、阿部さんが笑顔で指名していたのが忘れられません(笑)。一軍の選手だけでなく、彼らの成長も目が離せないです。

若手の育成に精を出す、元スター選手たち

阿部さんもそうですが、ファームでは私が見ていた世代に活躍していた指導者も多く見られます。私は松井稼頭央さん(西武ライオンズ二軍監督)が昔から好きで、彼を見に西武第二球場まで行くこともあります。昨年はDeNAの二軍監督に番長(三浦大輔 現DeNA一軍監督)もいましたね。

監督だけでなく、一塁や三塁のコーチを見て「あれは誰だろう?」と調べるのも、楽しみ方の一つです。自分が10代の頃に見ていた選手たちが教える側に立って若手の育成に精を出しているのを見ると、なんだか感動します。指導者の現役時代を知っているからこそ、「守備が上手くなるかな?」「足の速い選手、育ってくれ!」という期待もできます。

ファームは客席にいる方がコアな印象も受けます。観客でスコアブックを書いている日を見かけることも多いので、私も安心してスコアブックを広げています(笑)。選手との距離がドームほど遠くないので、一軍とは違った見方もできます。特定の選手や監督を見に行ったり、あえて3塁側に座ってベンチのリアクションを見たり。チケットも取りやすいので、気軽に行って楽しめるのがファームの魅力ですね。

夫からファームで活躍する期待の選手の話を聞くこともあります。佐野恵太選手(DeNA)は今となっては一軍の4番ですが、ファームでの下積みが長い選手。「バッティングがすごく良い」と、夫からよく聞いていました。ソト選手(DeNA)も来日直後ファームの試合に出ていた時に「彼はNPBで活躍できる外国人選手っぽい。打撃が魅力的な選手」だと話していたのをよく覚えています。ジャイアンツファンの私からしたら、「勘弁してよ」という感じですけど(笑)。

結婚したのは2017年で、夫がまだ現役の時でした。私がジャイアンツファンなのは最初から知っていましたし、夫は全く気にしていません。私から「菅野投手の新カーブ、どう?」など、打者目線の話を聞くこともあります。積極的に答えてくれるわけではないですが、丁寧に教えてくれますし、夫婦で野球談義をすることは珍しくないです。

夫はメキシコでもプレーしていたので、何度か地球の裏側まで会いに行きました。私は旅行が好きですし、メキシコはご飯も美味しくて最高でした。日系人のコミュニティが夫を全面的にサポートしてくださって、私が来た時にも案内をしてくれたので、安全に楽しめました。

今はBCリーグの神奈川フューチャードリームスで、球団アドバイザー兼コーチをしています。監督は元DeNAの鈴木尚典さん。夫にとっては、横浜高校とDeNA時代の大先輩です。ファームも含め、こういったBCリーグなどを見るといろいろなところで元選手が活躍している姿が見られます。

「そこで終わったらダメ」。未来のスターに期待

私はNPB AWARDSの司会として、一軍とファームの表彰式を毎年見ています。ファームで表彰される選手は全員、「一軍で活躍したい」と言うんです。彼らにとって、その表彰はゴールではなく、あくまで通過点なので。

ファームで成績を残し、その後一軍で活躍し続けている選手で一番に思い浮かぶのは、西武の山川穂高選手です。2014年と2016年にイースタンリーグで本塁打王を獲って、今では一軍の4番にまで上り詰めました。私は2016年にファームの試合で彼のホームランを見て、「1軍でこのホームランがみたい」と、敵ながらそのパワーに魅了されたのを覚えています。気づけば日本を代表する選手。ファームからその活躍を見ていたからこそ、すごく嬉しいですね。

ファームの一番の魅力は、泥だらけで頑張っている若手が見られることです。巨人はなかなか這い上がってくる選手が少ないですが、やはり出てきてほしい気持ちは強くて。彼らは2軍で活躍するためではなく、上のステージに行くために努力しています。だから、そこで終わったらダメなんです。

一軍ではできない失敗も、厳しくも温かく見られるのが、ファームの良いところ。今後も未来のスターの活躍に期待したいですね。