ファームのススメ

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ベイスターズマニア・ダーリンハニー吉川が語るハマの"期待の星"とは?

2021/01/26

弱い時も強い時も、変わらぬ思いで横浜DeNAベイスターズを愛する芸人・ダーリンハニー吉川正洋。前編ではこれまでのファン歴を披露してもらった。後編では、野球のオフシーズンの過ごし方から今シーズン以降の期待の星まで、たっぷり語ってもらった。

■オフシーズンも野球漬け!山﨑康晃投手らと自主トレも経験

取材は公式戦全日程が終わったタイミングで行なわれた。長いオフシーズンの始まりに、吉川も「この時期が始まりましたねぇ。ただオフはオフで別の楽しみがありますよ」と言う。

「球団のファンフェスティバルで司会をさせていただきますし、3年前から山﨑康晃投手のファンミーティングの司会もやらせていただいています。そのご縁もあって、2020年の1月には自主トレにも参加させていただきました」

毎年選手たちが1月に行う自主トレ。山﨑康晃投手は三嶋一輝投手、石田健大投手らと厚木市内で自主トレを行うのが定番で、吉川はその輪に加わったという。

「山﨑投手は『大丈夫ですよ、だいたいの方はついて来れますから』って言っていたんですけど、僕はまったくついていけませんでした...。山登り、ランニング、ダッシュ、ノック...みなさんにとっては軽めのメニューだとは思いますが、僕にとっては超ハード。もう筋肉痛がひどすぎて、1週間くらいロボットみたいな動きしてましたから」とボロボロに。改めて選手のすごさを体感することになった。

そして2月に入れば沖縄でキャンプイン。もちろん吉川もキャンプ地入りする。「毎年行くんですけど、ひたすら1軍の宜野湾と2軍の嘉手納の往復です。美ら海水族館とかは行ったことがないです。何回も沖縄に行ってるんですけど...」。ツウらしいオフの楽しみ方のようだ。

■あまりにも好きすぎて...今永投手に言われた一言とは?

春だけではない。秋には奄美大島で行われていた秋季キャンプにも毎年自費で渡航していた。

「選手のみなさんに『お!吉川さん、仕事ですか?』って言われて、いやいやプライベートです!って言ったら結構引かれました」。そんな吉川に、今永昇太投手もしみじみと「吉川さんはベイスターズが本当に好きなんですね...」と呟いたとか。

そんなベイスターズ愛は留まることを知らず、ファームの情報ももちろんチェック。スカパーを契約し、プロ野球全試合が見れるようにしているという吉川は、「数字やデータだけではわからないこともいっぱいありますからね。選手の動きや、フォームや雰囲気。仕事で見れないこともありますが、なるべく動いているところを見たいです」と動画で見ることにこだわっているようだ。

「ファームは期待の若手だけでなく、調子が上がらないベテランの方や、ひたむきに練習しているけれどなかなか1軍に上がれない選手の方もいたり、すごくリアルな場所。いいことばかりではありませんよね。でも切磋琢磨して1軍に上がってきて、横浜スタジアムという晴れ舞台で活躍するともうめちゃくちゃ嬉しいんです。みなさん死に物狂いで練習していますから。もう気分は完全に親です。選手全員の親です」と感情移入するのだという。

■注目ポイントは「顔」と「オーラ」?期待する若手2選手とは

吉川が試合を見る中で、注目するのは選手の顔つきだという。「オンラインハマスタでベイスターズOBの高森勇旗さんに顔に注目してみてくださいと教わってから特に見るようになりました。今年だと三嶋投手の気合の入った顔つきが印象に残っていますね。"静かなる鬼"とでも言いますか。山下幸輝選手は表情が明るく変わってきましたよね」

中でも気になったのは注目の選手。「森敬斗選手は楽しみしかないですよね、スターオーラもありますし、やってやるぞ!という前のめりなガッツを感じます」。森選手は昨年、1軍で8試合に出場し、プロ初安打を放った。ファーム、イースタンリーグでは58試合に出場し2本塁打13打点、打率.210をマークした。

吉川は2軍の春季キャンプから根性を感じていたといい、「練習量もめちゃくちゃ多いですし、大声を出してバットを振る姿から負けん気が溢れ出ていました。今は初々しいお顔ですが、数年後、チームの鍵を握る選手になった頃だとまた顔つきも変わっていくんでしょうね」と、早くも期待が止まらない。

また阪口皓亮投手も注目。「将来のエースになる投手だと思っています!1軍では惜しくも初勝利はあげられませんでしたが、ファームでは素晴らしい投球をしていました」。イースタンでは昨年12試合登板で4勝1敗、防御率2.07。プロ3年目が終わって未だ1軍では未勝利だが、今季以降が楽しみな選手の1人だ。

■三浦新監督で来季こそ!23年ぶりの優勝を信じて応援

5年間チームを率いたアレックス・ラミレス監督が退団。その後梶谷隆幸選手、井納翔一選手もFAで移籍。球団は一つの転機を迎えた中、後任には三浦大輔・前2軍監督が就任することが発表された。横浜大洋ホエールズ時代からのファンで、三浦監督の現役時代も見続けてきた吉川も期待に胸を高鳴らせる。

「ファームの試合を見ていると、三浦監督は細かいバントや足を使う攻撃をするんですね。ファームなので基礎的なことを重点的にやっていたのだとは思いますが、今までの戦略とはまた違ったベイスターズが見れるのかなと思っています」

ベイスターズは今シーズン優勝すると23年ぶりの優勝となる。DeNAでは一昨年の2位が最高順位だった。これだけの期待の星が揃うのだから、ファンの思いも高まる。「これまで中畑清監督、ラミレス監督と長く監督をされましたから、三浦監督にもぜひ長く指揮をとってほしいと思っています。何より、三浦監督はベイスターズ優勝の喜びを知っている方ですので。期待しています!」。前回、1998年の優勝時に選手として在籍した三浦監督。その優勝経験は次の優勝を引き寄せるに違いない。

さらには三浦監督にこんな期待も。「前の優勝の時には不慣れだったから、キンキンに冷やしたビールでビールかけしちゃったんですよね。三浦監督ならそんな過去の経験を生かせますから」。長年遠ざかってきた優勝の味、今季こそと吉川も信じている。

取材・文:臼井杏奈
写真:本人ご提供

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