ファームのススメ

ファームのススメ

横浜DeNAベイスターズの歴代ベストナインを選抜!ダーリンハニー吉川が語る魅力とは

2021/01/25

この数年、人気急上昇中の横浜DeNAベイスターズ。お笑い芸人・ダーリンハニー吉川正洋さんは、そんなベイスターズを前身の横浜大洋ホエールズから応援する生粋のファン。チームが弱い時代も一途に思いつづけた、そのワケとは?

■主将交代に新星誕生...悲喜こもごものベイスターズ2020年

昨年のベイスターズはチームの柱だった筒香嘉智外野手のメジャーリーグ移籍、そして佐野恵太外野手の新キャプテンという大ニュースに始まり、新型コロナによる新しい観戦スタイル、そして最後にはチームを支えた監督、選手の退団と激動の一年を過ごした。

芸能界きってのベイスターズファンである吉川さんも「正直、あれもこれもあってまだ混乱してますね」と昨年を振り返る。

「石川雄洋選手の退団だけでも数年は引きずりそうなのに、ロペス選手まで...。心に大きな穴が空いております...。でも2020年は佐野選手がキャプテンになっていきなり首位打者ですからね!大貫晋一投手も三嶋一輝投手も伊勢大夢投手も大活躍でした!」と、テンションも上がったり下がったり。

ファン代表として様々なベイスターズ関連イベントや番組に登場している吉川さんも、昨年は新たな試みに参加した。それが球団主催の「オンラインハマスタ」だ。放送ではリアルタイムにファンからコメントをもらいつつ、チームOBを迎えて実況トークを繰り広げるという、これまでにない内容だ。

「すごく面白い企画でしたね。何と言っても家からの声援が横浜スタジアムに直接届いちゃうんですから。OBの方のお話も楽しかったですし、劇的な試合も多かった。またスタッフのみなさんの熱意もすごかったですね。最初はわりとシンプルだったのですが、やっていくうちに企画がどんどん増えていくんです。試合途中のブルペンの様子が見られたり、アンコールヒーローズがあったり。ワイプが少し小さいですかね〜って話していたら次の日にはもう大きくなっている。試行錯誤しながらも面白いと思ったらすぐに実行してみるというところが、DeNAのすごいところだと思います」と出演しつつも感激したのだという。

■「弱いから嫌だった」のに...横浜大洋ホエールズ時代から一途なファンに

そんな吉川、もはやマニアといっても過言でないファン歴を持つ。初めて横浜スタジアム、通称"ハマスタ"を訪れたのは3歳のころ。「父は東京出身で元々巨人ファンなんですけど、できたばかりのハマスタが好きだったようです。とにかくよく連れて行ってくれました」。

その頃は横浜大洋ホエールズ時代で、ほとんどがBクラスというチームだった。そのため「最初、大洋はいつも負けるから嫌だったんです。けれどだんだんと俊足のスーパーカートリオ(高木豊、加藤博一、屋鋪要)やカルロス・ポンセ選手の活躍を見たり、ハマスタの綺麗な人工芝、スタイリッシュなユニホームを見ているうちに次第に惹かれるようになって、気付いたら熱狂的な大洋ファンになっていました。当時は巨人や西武や阪神のファンが大半で、大洋ファンはクラスで僕だけでしたけどお構いなしでした」。

特に好きだったのはスイッチヒッターの高橋雅裕選手。「スイッチヒッターというのがカッコよく感じましたし、守備もうまくて爽やかで大好きでした。たまたま僕も名前がまさひろで、少年野球をやっていたんです。僕はベンチばっかりの、情けない選手でしたけど...。ハマスタで高橋選手の応援歌を歌って『かっとばせ〜まさひろ〜』って言いながら、きっと自分を重ね合わせていたんだと思います。だから高橋選手が打てないとご飯も食べられないくらい落ち込んで...」

残念ながら大洋ファンには悔しい場面が多かった。「テレビを見ていても放送しているのは巨人ばかり。スポーツニュースでも大洋はVTRがめちゃくちゃ短い。映像がなく文字だけのことも多かった。ズームイン朝!を見ていると大洋は雑魚みたいな扱いで、朝から悲しい気持ちになりながら学校に行っていました。順位予想もいつも下位...」。特に巨人・斎藤雅樹投手にはチーム14連敗と負け続け、悔しい思いが募った。

「忘れもしない1990年の6月5日、福島県営あづま球場ですね。その日も斎藤投手を打てずに9回まで1-2で負けていたんですけれど、最終回に高橋雅裕選手がヒットを打って盗塁。続く高木豊選手が11球粘った末に、逆転ツーランを打ったんです!9回裏は遠藤投手が3人で抑えてやっと斎藤投手からの連敗を止められたんですよ。なにせ6年間勝てませんでしたから。あの1勝はまるで優勝したみたいに嬉しかったですね...。他にも1勝が優勝みたいな試合がたくさんあります。負けが多い分、他球団とは勝利の重みがちょっと違うかもしれません」

あまりにも強い印象だったのか、日付も場所もすらすらと話す吉川さん。しかし、そんな思いもついに1998年に報われる。

■日本一に夢心地...そこからまさかの急転落?「見るのをやめようかと...」

1997年シーズンから機運が変わる。

「Bクラスが当たり前だったベイスターズがだんだん強くなってきて、97年には優勝争いをして2位になったんです。ハマスタの応援もどんどん大きくなって、98年にはもうはちきれんばかりになっていました。なにせ38年ぶりの出来事ですから。試合もミラクルの連続で。優勝の瞬間は自宅のテレビで見ていましたが、とても嬉しい反面、本当なのかなって夢心地でなんだか放心状態でした...」

4番の主砲ロバート・ローズ選手を中心に石井琢朗選手、駒田徳広選手、鈴木尚典選手、谷繁元信選手らが並び、"マシンガン打線"と呼ばれた時代。投手にも野村弘樹投手、三浦大輔投手、川村丈夫投手らが揃い、守護神には『ハマの大魔神』こと佐々木主浩投手が君臨。その強さに「しばらくは安泰だろうなぁ」と思ったというが、気がつくと4年後には最下位に転落していた。「あれ?あれ?なんて言っているうちにあっという間に順位が落ちてしまいました。その後も主力のみなさんがどんどん抜けてしまい、まさに転がり落ちるように...」

そこからは"暗黒時代"と呼ばれるベイスターズの長いBクラス時代が続いた。特に2008年から5年連続の最下位も経験し、「観戦に行っても一度も勝利試合を見れない年まであって、僕が見ない方がいいんじゃないか?見るのをやめようか...って考えた時もありました」というほど。

急にガラガラになった球場にも「このくらいが見やすくてちょうどいいんだ」と見栄を張っていたという吉川さん。試合を勝敗だけでなく、さまざまな視点で見る目も養った。「あの若手の選手は絶対に伸びるぞとか、引いて見てみるとこの選手の打席ではこういうシフトなんだとか、今日のハマスタは特別星がキレイに見えるなぁとか...」。

そんな時代を超えて、今やDeNAは人気球団に。一昨年は2位まで上り詰め、優勝争いを演じるチームにまで成長した。

■歴代ベストナインを選抜!悩み抜いた横浜の「4番」は?

そんな弱い時も見続けてきた吉川に、横浜大洋ホエールズからDeNAベイスターズの選手まで、歴代ベストナインを選出してもらった。かなり悩みつつも、新旧スター選手が揃った豪華な打線が組み上がった。

1(遊)石井琢朗
2(中)屋鋪要
3(左)鈴木尚典
4(一)田代富雄
5(二)ロバート・ローズ
6(三)筒香嘉智
7(右)佐野恵太
8(捕)谷繁元信
9(投)三浦大輔

中でも悩んだのが4番の選考だ。「筒香選手が6番も変だし、佐野選手が7番というのも...。成績的にはローズさんが4番な気もしますが...でもやっぱり4番は田代さん。なにせ私が大洋を好きになったときの4番打者ですから。引退試合の満塁本塁打もハマスタで見ましたし、田代さんにさせてください!」

そして投手は三浦大輔新監督(元投手)。「ファンとして三浦さんと共に人生を生きてきたと言っても過言ではないですから!」。そんな三浦新監督が率いる今季以降に、期待も高まっているようす。後編では期待が高まるベイスターズの今シーズン、そして期待の星たちについても語ってもらう。

取材・文:臼井杏奈
写真:本人ご提供

ファームのススメ

ファームのススメ

戻る