ファームのススメ

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生粋の日本ハムファン モー娘。'20・牧野真莉愛がハマったファームの魅力

2020/10/13

モーニング娘。'20の"ビジュアルクイーン"、そして日本ハムファイターズのファンとしても有名な牧野真莉愛。幼い頃から札幌から福岡まで観戦旅行に出かけ、多い時で年間50試合を観戦したという筋金入りのファン。そんな牧野は昨年、初めてファーム球場にも足を運んだと言う。後編である今回は1軍との違いや、ファーム観戦の魅力を語ってもらった。

■ミュージックビデオやライブでも野球・日本ハム愛を発揮

牧野の"ファイターズ愛"はファンの間で有名だが、球団にもその思いが通じた。2018年には念願叶って札幌ドームでのファーストピッチに登場。武田勝投手から投球指導を受け、ファイターズ賛歌の歌唱も行なった。「すごく嬉しい、小さい頃の自分からしたら考えられないこと!」と満面の笑みを見せて振り返る。

モーニング娘。'20の活動でも、その愛を爆発させており、「LOVEペディア」のミュージックビデオではバットを振り"野球愛"を後輩に教える姿も披露している。

さらにライブでも「毎回のようにファイターズの話をしていますね、『明日も勝つ!』って言ってMCを締めたり...」と、大好きなSHINJO選手の名台詞を拝借。そんな牧野に影響され、日本ハムを応援し始めるモー娘。ファンも多いのだとか。

最近では野球関連の仕事も増えており、「仕事があってもなくても、ファンであることは変わらないんですけれど、選んでいただけるのはとても嬉しいです。グラウンド整備でもなんでも、お仕事を頂けるならやりたいです!」と意気込む。

■初の鎌ヶ谷へ...ファーム来場のきっかけは「中田翔さん」

そんな牧野は、これまでもファームの試合は映像などで度々チェックしていたといい、「1軍戦の時は早めに球場入りして『こんな選手がファームから上がってきているな』って見ていたり、ファンのお友達がファームの選手情報を教えてくれたり」と、敏感に情報をキャッチしていたそうだ。

そして昨年、ついに初のファーム観戦に。日本ハムのファーム球場である鎌ヶ谷球場だけでなく、西武第二球場、ロッテ浦和球場にも足を運んだという。そして、そのきっかけとなったのは大好きなあの選手の一言。

「昔は日帰りでも1軍の試合を見るために遠征していたんですけれど、忙しくなって、なかなか見にいけなくなりました。それでどうしようと思っていた時に、中田(翔)選手に言われた言葉を思い出したんです」

実は牧野、自身のバースデーイベントでサプライズとして日本ハムの4番・中田翔選手からあるメッセージを貰っていた。「『チームのことも、もっと応援してね』と言っていただいて。どうしたら今より応援できるんだろう?と。それでファームも応援しようと思ったんです」

初めてのファーム球場では新鮮な体験がたくさんあったそうだ。「雰囲気が全く違いましたね。1軍戦では外野席にいることが多いんですが、ファームはベンチとの距離が近くて選手の声も聞こえるし、ピッチャーが投げる時の砂を蹴る音まで聞こえる!選手とファンの距離がすっごく近いなと感じました」

さらには古くからのファンながらのこんな発見も...「紺田さんがコーチになっていて、昔と体型も変わらず驚きました!」と、自身がファンになった幼少期に選手として所属していた紺田敏正・2軍外野守備走塁コーチの姿にも感激したそうだ。

■ファームを知ると1軍戦も楽しい!解説者から情報をキャッチ

ファームの試合はほとんど映像でチェックしているため、目だけでなく耳からも情報をキャッチしている。牧野は「解説者の方が選手について詳しく教えてくれたり、ファームの空気を伝えてくれたり、いいお話しがたくさん聞けるんです」と話す。

ファームまで広くカバーする解説者やアナウンサーの情報は、なかなか観戦に行けないファンにとっては新鮮な情報でいっぱい。牧野も、解説者の一押し選手を特にチェックしているといい「(元日本ハム)田中幸雄さんの解説で、高濱祐仁選手について知って、注目しています」と語る。

またイースタンリーグで本塁打12本、出塁率.441でトップに立ち、9月22日に支配下登録されると、翌日にはプロ初出場で初安打を放った 樋口龍之介選手(2019年育成ドラフト2位)も、支配下登録前から注目の選手として名前をあげた。

さらにもうひとり気になっている存在が...それは、牧野が「ロドちゃん」と呼ぶ、ブライアン・ロドリゲス投手。今季は6月に左膝の手術を受け たことでファームでリハビリ中だが、そのプライベートにも注目しているそう。

「ロドちゃんはインスタライブをしていて、ちょっと癒しの場みたいな感じなんです。最近は日本語を覚えているみたいで『おにぎり』って繰り返し言っていたり、他の選手も出てきたり...楽しんで見ています!」

■浮上のキーマンは中田翔選手、エール送る「優勝信じて」

2016年以来、リーグ優勝から遠のいている日本ハム。牧野は2016年、優勝が決定した西武ドーム(現メットライフドーム)の試合に行くことが叶わなかったといい、「ライブとライブの間で、移動の時に『今ここでやっているのに...』なんて思いながら新幹線で通過しました」と回顧する。

今季こそ優勝が見たいところだが、チームは現在4位(9月26日時点)。しかし「ファイターズが優勝する、日本一になるって思って応援しているので、絶対優勝します」と牧野は語気を強めて言う。

そう力説する理由のひとつとして、牧野は「ファイターズはベンチにいる時にも、選手皆さんで前のめりになって試合を見ていて、選手同士で応援しているところがすごくいいなって。その中で、中田選手が喜んでいる姿を見るとこっちも嬉しくなっちゃうし、もっと応援したいなって思うんです」と語る。

一致団結や明るい雰囲気は、強いチームに必要な要素であることは、間違いない。牧野が浮上のキーマンとして挙げたのは、チームの精神的支柱である4番の存在。

「やっぱり中田選手がチームのキーマンというのは変わらないと思いますし、ファイターズの4番は中田選手しかいないと思っています!中田選手が打てば、チームは勝つと思っています」

牧野だけでなく、ファンの大きな思いを背負う日本ハム。その思いは形となるのでしょうか。パ・リーグのペナントレースから、まだまだ目が離せない。

取材・文=臼井杏奈、撮影=竹中玲央奈

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