2021/07/13
女優、タレントとして活動する山根七星さん。2020年シーズンまで3年間、オリックスバファローズのスタジアムリポーターとして活躍し、球場ファンを湧かせてきました。
前編ではリポーター時代に感じたバファローズの魅力を伺いましたが、後編ではファームの楽しみ方、見どころを伺いました。山根さんが注目する復活期待の選手や、ネクストブレイク期待の選手とは…?
(取材・文:臼井杏奈)
いつもファンを楽しませてくれる、“仕掛け”いっぱいの本拠地
レポーターをしていた2020年までの3年間は、主に本拠地の京セラドーム大阪とほっともっとフィールド神戸に通っていました。京セラドーム大阪は大きくてイベントもフードも仕掛けがたくさん。もう一つの本拠地、ほっともっとフィールド神戸は屋外球場で風が気持ちいいし、歴史が詰まった球場なんです。屋外ならではの「花火ナイト」は夏の風物詩として楽しみにしているファンも多いはず。
バファローズはファンを楽しませるのが本当に上手で、イベントも発想力豊か。福岡ソフトバンクホークスとのイベントで、両チームがそれぞれ近鉄バファローズ、南海ホークスの復刻ユニホームを着用する「KANSAI CLASSIC」、毎夏の恒例行事となっている「Bs夏の陣」などのイベントで、限定ユニホームが見られることも楽しみの一つです。
リポーターをしていて特に思い出深いのが、オリックスの女性ファン向けイベント「Bsオリ姫デー」です。毎年女性向けの可愛いユニホームが登場したり、フードメニューが作られたり、と楽しみにしています。中でも印象的だったのが、「選手が好きな香り」を知ることができる体験ができたとき。この通路は◯◯選手の好きな香り、こっちの通路は◯◯選手の香り…と場所が作られていて、通るといい香りが漂ってくるんです(笑)。なかなか知ることのできない情報が入ってくる、体験できることはファンにとっても嬉しいですよね。
いろんな種類のユニホームを着ていたので、自分のSNSではユニホームと私服を合わせた「ユニホームコーデ」投稿をシリーズ化しました。主にユニホームとスカートやパンツを合わせた観戦コーデを提案していたのですが、プライベートで観戦する時は、応援キャラクターのバファローズポンタが描かれたTシャツを着ることも。
遠くて暑くても通いたい!バファローズのファーム球場
1軍だけでなく舞洲にあるファーム球場・オセアンBSにも通っていました。仕事だけでなく、プライベートでも観戦しに行きました。1軍とはまた違うファーム球場の雰囲気が好きなんです!
今は観客数制限で1軍戦も応援が静かになっていますが、ファームは開けた空間で選手の声やボールの音だけが響いてる。しかもとっても近いから、グラウンドの雰囲気が伝わってきます。オセアンBSはすごーく暑くて汗が止まらないし、駅からやや遠いのですが…(笑)。それでも行きたくなる、魅力的な球場です。
今はなかなか行けていませんが、誰が1軍に上がったとか、どの選手が活躍しているか、といった情報をニュースや動画でチェックしています。
苦労を重ねる選手も…復活の日が待ち遠しい選手たち
ファームは入団直後の若手の選手からベテランまで、さまざまな選手達が切磋琢磨しています。この数年は故障に泣かされる選手も多く、復帰を目指す選手も印象的です。
本田仁海投手は右肘の疲労骨折で手術から復帰して、今はウエスタン・リーグに出場しています。また入団後にトミー・ジョン手術(右肘内側側副靱帯再建術)を経験する選手も多くて、黒木優太投手、近藤大亮投手、田嶋大樹投手、山﨑颯一郎投手が手術を受けました。田嶋投手、山﨑投手は今季1軍でも投げているので、他の選手の復活も待ち遠しいです。
特に近藤投手は昨年9月に手術をしたのですが、30歳の中堅世代で手術を受けて復帰を目指すのは、とても大変なことだろうと思います。中継ぎとして活躍していた方ですし、1日でも早く復帰した姿が見られるといいなと思っています。
ファームで必見!ネクストブレイクは育成上がりの…
どの選手も頑張って欲しいのですが、あえてイチオシ選手をあげるとすれば、育成契約上がりの大下誠一郎選手です。2019年の育成ドラフト6位で入団し、昨年9月に支配下登録されました。
支配下登録翌日の試合に出場したのですが、そのプロ初打席で勝ち越し3ラン!インパクト大のデビューで記憶に残っています。
それに大下選手は陽気でムードメーカー、ベンチでの声出しがとにかく大きくて、1軍でも客席まで聞こえてくるくらい!まだ23歳なんですが、年上の選手にも臆することなく話しかけています。内野手なので投手に話しかける場面もあるのですが、増井浩俊投手のようなベテラン投手にも率先して話しかけているんです。チームが明るくなる人柄も魅力的な選手です。
もう1人注目しているのが、育成契約選手の田城飛翔(つばさ)選手です。彼は2017年から4年間、福岡ソフトバンクホークスの育成選手としてウエスタン・リーグに出場していたんですが、支配下登録には至らなかったんです。
ホークスで育成契約を更新する道もあった中で自由契約を選び、12球団合同トライアウトを受けて今季からオリックスに入団しました。環境を変えるというだけでも大変なのに、自分の意思で退団を決断して、オリックスでまた頑張っているって素敵ですよね。
私も昨年でスタジアムリポーターを卒業して、今年から東京に拠点を移しました。同じように目標のために決断して、環境を変えて頑張っている選手なので、ついつい感情移入してしまうんです(笑)。
彼らを1軍戦で見る日が待ち遠しいですし、私も近々、ファームを観に行きたいなと思っています!